マトリックス（The Matrix：1999年米）
久しぶりにDVDでThe Matrix（マトリックス）を観た。第一作目である。
1990年公開というから、今から22年も前の作品ということになる。
当時、映画館に観に行ったのだが、確か行列ができていたような気がする。有楽町かどこかの映画館で、指定席だったような。。
22年前なので、まだ郊外のショッピングモールもシネコンもなく、わざわざ都内まで行ったのだ。
ストーリーや映像技術などは、いまさらここで触れるまでもないだろうが、印象に残ったのは、その設定である。
近未来らしい地球で氾濫した機械（マシン）によって人間が支配を受け、そこから立ち上がるというところは、まあ、鉄腕アトムの時代から考えうる内容であろうし、少し前にはターミネーターで表現されてもいる。
何よりも衝撃的だったのは、そこに電脳（IT）・通信による、バーチャルな肉弾戦が展開されていた点である。
折しも、ゲーム機の進化と携帯端末の普及、さらにはインターネットの普及と高速化など、IT技術がどんどん進化していった時代。そんな時代背景を巧みに設定に活かしているところがこの映画の真骨頂といえよう。
しかも、相手はマシンそのものではなく、プログラムときた。エージェントスミスは何とウイルス。ネオはウイルスバスターみたいなものだ。
電気信号になった人間がプログラムと闘う。極小化した人間が体内に潜入して黴菌と闘う「ミクロの戦い」より、リアルに思えるこの設定。シビレました。
様々な意味で革新的な作品であり、しばらくは、この設定を超えるものは出ないのではないかとも思わせる秀作といえよう。