しあわせの隠れ場所(The Blind Side:2009年:米)
こんにちは。Otenkingです。
今日紹介するのは、感動したいときに見る映画ベスト10でも相当上位にランキングできるはずの実話ベースの物語「しあわせの隠れ場所(THE BLIND SIDE)」です!
原題の THE BLIND SIDE ですが、ラグビーやアメフトを知っている人なら分かるポジションのひとつだそうで、本作の主人公マイケル・オアーのポジションでもあります。オープンサイドの反対で「盲点とか死角」といった意味があって、アメフトなどでは、攻撃などでタッチラインまでの距離が短い方のことです。
例えば、「O」を攻撃の中心であるボールの位置だとして、X、Yが7人の味方プレーヤーだとすると「 XX O YYYYY 」の「X」側がブラインドサイドになります。さて、このポジションとタイトルどういった意味があるのかも考えてみるのも面白いかもしれませんね。
NFLドラフト一巡目にボルチモア・レイブンズに指名、入団したマイケル・オアーのエピソードを描いた作品。
メンフィスの貧しい家庭に育ちながらも、高校時代アメフトで頭角を現したマイケルは、裕福なチューイ夫妻に引き取られる。新しい家族の元,週20時間家庭教師をつけてもらいながら努力し、大学を受験できるレベルまで学力をつける。結果複数の大学から奨学金のオファーを受け、ミシシッピ大学に進み、アメフト選手として活躍し、レイブンズに入団、現在も活躍している。
と、ストーリーは才能はあるが不幸な境遇の青年を、富める者が見事に成功へ導くという、ある種のサクセスストーリーであるが、作品中では、マイケルとチューイ一家の触れあいや、実の母、兄との関わりなどの人間模様を嫌みなく描いており、温かみある内容に仕上がっている。
マイケルが、アメフトで成功することで、チューイ夫妻への注目度が上がる結果となっているが、マイケルの成功は、彼らにとっては副産物でしかないと感じることができるか否かによって、この作品への評価もずいぶんと変わるところだろう。
この作品を見て特に感じることは、やはり運命というか、人生は何によって決まるのか?という、その不思議だ。もし、彼がアメフトをやっていなかったら、もし、チューイ夫妻が彼と出会わなかったら、もし・・・。考えればきりがないが、逆にいえば、その「もし」が全て排除された結果が、彼らの人生を決したものといえるのだろう。
「もし・・・だったなら」それは、過去への執着、やがて来る選択の時「もし・・・をしたら」それは、見えない可能性への期待と不安。人は今の環境、人間関係の中でベストと思える選択の繰り返しで生きていくしかないのだ。
その一つの形が、この作品。つまり、観る者の心を温かくしてくれる結果をもたらしてくれるのだ。
と、少々難しいことを述べてしまったが、純粋にあったかい作品に仕上がっていると思う。
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