Cone Mills Of Greensboro, North Carolina(コーンミルズ社);セルビッジデニム 

こんんちは!Otenkingです!

今日は、デニム生地のサプライヤーにスポットを当ててみました。特にファンが好むデニム生地はどんな工場で作られ、供給されているのでしょうか?少し調べてみました。

Levi’s 501の復刻版etc.についてレポートしているが、XXデニムの生地について調べていると、「コーン社製」「カイハラ社製」などの生地サプライヤーが登場してきた。

ジーンズメーカーは入手した生地を裁断、縫製して製品を仕上げ市場に出すわけで、ほとんどが紡績から一貫して自社生産しているという訳ではないのはご存知の方も多いと思う。

そこで、暫しデニムサプライヤーに焦点をあててみようと思う。

Cone Mills Of Greensboro, North Carolina

** リーバイ・ストラウス社 と コーンミルズ社 **

リーバイ・ストラウス社は1915年からノース・キャロライナ州グリーンズボロに紡績工場を構えるWhite Oak Cotton Mills (ホワイトオーク・ミルズ)から徐々にデニム生地を調達し始め、1922年にはデニム生地全てを同社のものにする。このWhite Oak MillsこそCone Mills(コーンミルズ)社の前身であり、以降LEVI’S 501はコーンミルズ社製のデニムとなる。

当時のデニムはシャットル織機で生産されていた。力織機とも言われ、横糸を内蔵したシャットルが縦糸の間をその名の通り行ったり来たりすることで綿糸を織っていくものである。このシャットル織機では生地幅2729インチ幅で作られた生地を一杯に使うために、折り生地の端がほつれないようにしたことで生まれたものがジーンズの通称「ミミ」と呼ばれる部分になる。

しかし、1950年代後半から徐々にジーンズファッション化に伴う需要の高まりによって、生産効率を上げるため織機の生産力向上が求められるようになる。

** 大量生産とセルビッジデニムの消滅 **

 そこで、開発されたのが新型織機=革新織機である。革新織機はシャットルの代わりに金属・風圧・水圧で横糸を飛ばすことで4448インチ幅広の生地を織れるようにしたものである。さらに、生地の端を縫製によってほつれないようにしたことで大量生産を可能とし、コーンミルズ社では1983年にセルビッジデニムの生産を一時終了することになる。これによって、Levi’s 501の「赤ミミ」は次第に姿を消していった。

 同時に綿糸の品質向上により綿糸の太さが均一となったことで、織目も整い表面が滑らかになり織り布としての品質も向上した。しかし、この品質の向上は従来の旧織機によって作られる不均一な織目によって得られる独特の色落ちを期待するユーザーからは支持されず、拡大するジーンズ市場の中、皮肉にも1990年代後半からのヴィンテージブームを生みだすこととなる。

** ワークパンツとしてのデニムからファッションとしてのデニムへ **

 前時代のジーンズを求めるオリジナルニーズの需要が高まるにつれ、リーバイ・ストラウス社を始め、各社、当時のディテイルを復活させた復刻・レプリカジーンズを続々とリリースするため、29インチ幅のセルビッジデニムが再び生産されることになったのである。 

 501のデニムといえばコーン社製も、時代の流れと共に変わり、2003年リーバイスが米国内の生産工場を完全に閉鎖するのと時を同じくして、コーン社も経営難となり、International Textile Group(インターナショナル・タキスタイル・グループ)傘下に入る。これによって、コーンミルズの名称は消失し、「コーンデニム」のブランドとして現在もノース・キャロライナ州グリーンズボロの工場でセルビッジデニムの生産を続けている。

 現在コーンデニムは Levi’s Vintage Collection にセルビッジデニムを供給しており、米国製LVCは当時のままの生地サプライヤーと共に歩んでいるのである。

 セルビッジデニムは単にヴィンテージジーンズのディテイルの一つではなく、デニム生地の歴史の象徴といえる。

現在もセルビッジデニムを生産するコーンデニム

 

織だけではなく、捻じれ防止や防縮加工など生産性と品質の向上を目指したデニム生地。更には、色落ち防止まで合理的に正しい進化を遂げたデニム生地は、その進化とは裏腹にかつての面倒くささも同時に愛され続ける実に稀有な存在なのだ。

** 英語サイトになるが、コーンミルズ社についてはこちらに詳細情報があるので参考までに **