EXTRA EXCEED LEVI’S XX の魅力とは(3)

2月 28, 2019

こんにちは!Otenkingです!

さてXXについての最後のウンチクです。

LEVI’S XX(EXTRA EXCEED)に魅了され、その再現を試みるブランドと、自社の古典を自分たちの解釈のもと復刻版を展開するリーバイ社の違いはこれまで触れたとおりだ。

リーバイスでは、復刻版は専用レーベルLVCによって主流のレギュラーラインとは別に派生的に展開されている。つまり、ご本家にとって「XX」は過去のものであって、あくまでも進化し続けているレギュラーラインこそが「XX」を引き継いだ血脈なのである。

1983年赤ミミモデルの生産が終了。それまで29インチ幅デニムから61インチ幅デニムに変更したことに伴い、これ以降のデニムを「XXX」デニムと呼ぶようになったとか。

Xが3つとは今度は何の省略か?となるが、その説明はどこを探しても見つからない。唯一見つけたサイトによると、生地の品質を表す「エックス・レイティング」「エックス・ファクター」と呼ばれ、元々はアメリカのウール業界で使われていたものらしい(何故かポルノ映画などでもXレイティングが用いられ、Xが多いほど卑猥だという。おかげでセリカXXに乗っていたときはずいぶん卑猥な車乗ってますねぇなどと揶揄されたものだ。)。

「XX」が「XXX」となり、リーバイスの主流であるラインは常に「XF17」「XX17」「XXX7」「XXX9」「XUVS」「XUVO(新LVCで採用)」など綿や織に変化を加えながら今日に至る。もはや、XUVSに至っては何の略やらさっぱり分からず、コード化してしまっているかのようだ。

2010年以降の新LVCから上記「XUVO」生地を使っていると、やっとヴィンテージ復刻用の特別デニムを謳い、他社との差別化をはかっているが、「XX」の完全再現を謳っていない点もまた”進化”前提の復刻版であることの主張なのだろうか。

ファストファッション、デザイナーズブランドは毎年のようにジーンズのデザインを変えてリリースする。そもそも耐用年数の長いジーンズは、新品購入サイクルの長いアイテムだ。腹が出た、クラッシュして穴が空いたなどの事態により2年くらいで新品を買おうとしても気に入ったデザインが無くなっていると意外にショックを受ける。リーバイスですら、03年モデル、08モデル、そして13年モデルと5年サイクルで王道501がシルエットを変えているのだから、気に入ったものがあれば、同サイズを2本、インチアップ、ダウン2本、計4本用意しないと、二度と巡り合えないということか。

リゾルトのHPにあるコンセプトメッセージの中に「何年経っても手に入る理想の定番を作り続けたい。」という林氏の言葉が引用されていた。ジーンズを作品として捉えている言葉だといえる。

3回にも分けて考えた「XX」の魅力。それは時代の要請から生まれ、時代の要請と共に消えていってしまったアナログ時代の定番としての重みなのかもしれない。

30年後、50年後、ヴィンテージデニムと呼ばれるのは、もしかしたらここ十数年変わっていない数少ない「現在の定番」なのかもしれない。