EXTRA EXCEED LEVI’S XX の魅力とは(1)

2月 28, 2019

こんにちは!Otenkingです!

こちらのブログでも書いているデニムのロットナンバーですが、XXが付いたり、付かなかったりとこのXXは何なの?と思って調べたことを書いてみました。

リーバイスのヴィンテージで高値をつけるのはXXのついたものだそうで、パッチからXXの表記の無くなる通称66モデル以前のものを「ダブルエックス」と呼んで差別化しているようです。

復刻版1947年モデル(2000年米国製)の紙パッチ。復刻版でもヴィンテージでも最もカッコイイパッチの一つだ。この「XX」も復刻版としてのデザイン上のものだとすると少々複雑な気持ちになってしまう。このパッチがなかったらただの太い501!?

調べるきっかけはTV番組『ぷっすま!』でのエピソード。イカ釣りに出かけたぷっすま!ゆーすけサンタマリア氏の釣り上げたイカの吐き出した墨がイカ部部長草薙剛君を直撃。あろうことか下にカッパを着ていない草薙君の20万超のヴィンテージジーンズをイカ墨染にしてしまいました。

その時、草薙君が叫んだ言葉が「これダブルエックスなんだよぉ(涙)!」。まあ、放送を見る限り自業自得といったところでしょうか。(事件発生の直前にゆーすけ氏に「カッパ穿いた方がいいよ」との有難い忠告があったにもかかわらず・・・)

その放送をみて、尚更「ああ、ダブルエックスって相当インパクトがあるな。」と思いました。

XXはeXtra eXceedのことで、1880年代それまでキャンバス地だったものをデニム地に変更し、82年にはXXデニム使用を謳うようになったそうです。

やがて、ロット501が登場し、1900年代に入りコーンミルズ社製のデニム生地が生産されはじめ、40年代から60年代前半までのモデルが前述のヴィンテージ501XXとして現在も数百~十万で取引されています。

1980年代のヴィンテージブーム以降、本家リーバイス(日本法人も含め)は各年代モデルの復刻版を次々にリリースし続けており、その生地も様々なバリエーションがあります。どこまで当時のものに近付けようとしたかは定かではありませんが、マニアの間では、本物には勝てないというのが大勢のようですね。

一方、リーバイスのヴィンテージの風合いを少しでも現代に復活させようと努力を重ねるレプリカブランドもあり、その比較はネットでもしばしば話題に取り上げられてきています。かつてのヴィンテージブームが影を潜めたため、これまでレプリカ作りで培ってきた技術を独自ブランドとして展開しているところも近年目立ってきています。

さて、そんなにも魅了するXXデニムとはどんなものなのでしょうか。

そもそも、経年劣化のある数十年経ったものに価値があるのか、当時のままのものが価値があるのか。今後は、その辺りを少し掘り下げていこうと思います。

リーバイス501に使われたXXデニムはその名の通り、大変優れたデニムということで通称BIG E、66モデル以降はその生地を使うのがアタリマエということでパッチ表記がなくなることになります。

66モデル以降それまでの作業着、ワークパンツとしての位置づけだったジーンズがファッション性を持たせたデザインに変更されたり、ジップアップモデル、ブーツカットモデルなどがリリースされたりとバリエーションが増えたことなどから、60年代後半のジーンズに求められるものが、単なる丈夫さではなくなったことと、「XX」表記が消えることと符合するのは偶然の一致かもしれませんが、面白い現象です。

評価としてはXX表記がなくなってからは、生地が均一的になりそれまでの「粒」感や「ザラつき」感がなくなって滑らかになりました。肌触りが良くなったと考えれば衣料品としてのクオリティは上がったと考えるのが妥当なのでしょうね。

90年代後半から本家リーバイスが送り出した復刻版モデルは米国製で「コーン社デニム」、日本製で「カイハラ社デニム」くらいの情報しかなく、染め、織、縫製など再現性の曖昧な点が多くあります。

また、各モデルによって製法が異なるようで、質感や色落ちが異なるようです。ただ、いずれもいわゆる本物の再現に及んでいないことが、レプリカブランドの評価を上げることになっているといえるかもしれません。

通称レプリカと呼ばれているブランドのジーンズは、XXデニムの再現性では本家復刻版を凌ぐクオリティであるとのリポートが数多く見受けられます。その再現性という点では各社オリジナルヴィンテージを独自に解体、分析しており当時の生地に近付けるべく努力を重ねてきているらしいですが、企業秘密からか詳細が明らかになることはないようです。

中でもウェアハウスがリリースしている酸化デニムは、当時の生地の再現に留まらず、デッドストックの経年変化をデニムに染み込ませた酸化剤により化学的に再現しようとするもので、ファンの間では話題になったようです。

リーバイスというブランド力に支えられた「XX」っぽい復刻版がある一方で、「XX」に限りなく近いが決してリーバイスではない独自ブランド。ヴィンテージであるか否かに関わらず、手軽に「XX」デニムを穿いてみたいというニーズに真に応えるているのはどちらか?といえば、現状独自ブランドに軍配が上がりそうですね。

さて、次回は、今のジーンズをヴィンテージXXに近い風合いにする様々な「穿き手の努力」について考えてみることにします。